コラム

保育所の1日まるわかりガイド 登園・健康チェックからお迎えまで—年齢別の過ごし方と食育、持ち物・連絡帳のポイント

朝の登園と健康チェック、連絡帳のやりとりはどう進むのか?

以下は、多くの保育所で一般的に行われている「朝の登園」「健康チェック」「連絡帳のやりとり」の具体的な流れと、背景となる根拠です。

施設や自治体によって細部は異なりますが、考え方と実務の全体像が伝わるよう、実際の現場手順に沿って詳しく説明します。

朝の登園の基本的な流れ

– 到着時間の目安
– 開所時間~9時頃までに登園を促されることが多いです。

9時前後からクラス活動(散歩、製作、体操等)が始まるため、生活リズムの安定や集団活動への参加のためにも、この時間帯の登園が一般的です。

– 入口でのあいさつ・受け入れ
– 保護者と子どもが玄関で保育士に挨拶し、出欠確認とその日の受け入れが始まります。

– 靴・上着の着脱、靴箱やロッカーへの収納、荷物(連絡帳、コップ、タオル、汚れ物袋、シーツ等)の所定位置へのセットを行います。

– 身支度と短時間の分離
– 子どもは手洗い・うがい(年齢に応じて)を済ませ、クラスへ。

– 0~2歳児は不安定になりやすく、抱っこやお気に入り玩具への誘導などを用いたスムーズな分離(バイバイの儀式、短い別れの言葉)がよく用いられます。

– 早朝の自由遊び
– クラスや年齢を越えた合同保育で、自由遊びをしながら、順次到着する子どもたちを受け入れます。

健康チェック(健康観察)の具体

– どこで・誰が行うか
– 入口または保育室前で、保育士が視診・触診・問診を組み合わせて実施します。

検温は家庭で済ませて連絡帳に記載する園もあれば、登園時に園で実施する園もあります。

– 観察項目(代表例)
– 体温 37.5℃以上を目安に登園見合わせとする園が多いほか、「平熱+1.0℃」を基準にする園もあります。

– 顔色・活気 ぐったり、機嫌が悪い、活動性の低下など。

– 呼吸・咳・鼻汁 咳の頻度、息苦しさの有無、ゼーゼー音等。

– 皮膚・粘膜 発疹、目やに、結膜充血、口内の状態(口唇の乾燥、よだれの様子)など。

– 消化器症状 嘔吐、下痢、腹痛の訴え(年齢により表現は多様)。

– 外傷 前日や登園時についた傷の有無(家庭での出来事も含め確認)。

– 食事・睡眠・排泄 前夜から当日朝の様子(連絡帳と口頭で確認)。

– 結果に応じた対応
– 軽い鼻水などでも活動性が低い場合や水分・食事が取れない場合は登園見合わせの提案。

– 明らかな感染徴候(高熱、発疹、咳の連発、嘔吐・下痢)のある場合は、自治体・園の基準に従って受け入れ不可や医療受診のお願い。

– 感染症確定後は「登園届」または医師の意見書での復帰確認を求めるケースが多いです(インフルエンザ、咽頭結膜熱、流行性耳下腺炎、百日咳、RS、ノロ等)。

– 記録
– 園では「健康観察記録」に毎日の体調を残し、引き継ぎの素材とします。

気になる兆候は午睡前後や食後にも再確認します。

連絡帳のやりとり(紙・アプリ共通の実務)

– 保護者が朝記入する主な内容
– 体温(家庭で測定した値)
– 睡眠状況(就寝・起床時刻、夜泣き、夜間授乳)
– 食事量(前夜・朝食の内容と量、アレルギー留意点)
– 排泄(回数・性状。

下痢・便秘の傾向)
– 朝の機嫌・気になる症状(咳、鼻水、発疹、腹痛など)
– 投薬の要否(医師処方のみ、依頼書の有無、投薬時間)
– お迎えの時刻・担当者の変更(祖父母・シッター等)、緊急連絡先の更新
– 保育士が朝に確認・口頭で補足を受ける点
– 前夜のけが・通院の有無、薬の副作用の可能性
– 生活リズムの乱れ(帰省・行事・夜更かし等)
– 気がかりな対人関係や情緒(新しい環境、家庭の出来事)
– 園が日中に記録し、夕方保護者へ返す主な内容
– 活動の様子(何で遊んだか、関心の芽、生き生きした瞬間)
– 食事・おやつの摂取量(%やスプーン数、完食・残食の理由)
– 午睡(入眠時刻・起床時刻、寝つき、途中覚醒)
– 排泄(回数・トイレトレーニングの進捗)
– 体調変化・微熱・発疹・怪我の発生と応急対応
– 連絡・お願い(持ち物補充、行事案内、面談の希望等)
– 紙の連絡帳の運用
– 朝は玄関やクラスの提出かごに入れ、担任が順次確認。

緊急事項は手渡しで周知。

– 夕方の返却時に保護者が読み、必要に応じてその場で口頭フォロー。

– 連絡帳アプリの運用
– 朝の体温・睡眠・食事量をアプリで送信。

登降園はICカードやQRで打刻。

– 担任は朝の受け入れ時にアプリの内容を確認し、口頭聴取と突合。

– 日中の様子は写真・活動記録として配信、夕方までに要点をまとめて発行。

– 発熱・怪我などの緊急連絡はアプリ通知+電話で重ねて伝達。

投薬(持参薬)の扱い

– 原則と手順
– 園での与薬は「医師の処方薬に限り、園生活上やむを得ない場合のみ」という運用が一般的です。

– 保護者は「投薬依頼書」(薬名、用量、用法、投与時刻、医療機関名、保護者署名)を薬と一緒に提出。

外用薬(塗布薬、吸入)や救急薬(喘息、アナフィラキシー)も同様です。

– 園は与薬記録を残し、誤与薬防止のためダブルチェックや声出し確認を徹底。

– 注意点
– 解熱坐薬の預かりは原則不可とする園が多く、ただし熱性けいれん既往など医師の指示書がある場合は個別対応。

– 市販薬は不可が原則。

どうしても必要な場合は医師の指示を求めるのが通例。

保育者側の情報共有(裏側の流れ)

– 朝の引き継ぎ
– 早番から担任へ、連絡帳・口頭情報・健康観察の結果を共有。

– アレルギー、投薬、体調配慮(汗冷え、疲労)などハイリスク情報は目立つ形で掲示・端末に表示。

– 記録の一元管理
– 連絡帳、健康観察表、与薬記録、ヒヤリハット・事故報告は日次で保存し、必要に応じて保護者・管理者・自治体へ報告。

年齢による違い(0~2歳児と3~5歳児)

– 0~2歳児
– 健康チェックは細やかに(体温・排泄・食事量の変動に敏感)。

午前睡やおやつが早めに入るため朝の観察が特に重要。

– 分離不安が出やすく、短い別れのルーティン化や保護者の一貫した態度が有効。

– 3~5歳児
– 自己申告(腹痛、喉の痛み、だるさ)が増えるため、主訴の聴取と観察の両輪で判断。

– 朝の会や設定保育が始まる前に健康状態を整え、必要なら見学・安静コーナーを準備。

登園をスムーズにするためのコツ(保護者向け)

– 前夜からの準備 持ち物チェック、記名、服装のレイヤリングで発汗調整。

– 連絡帳は「要点+具体的な数値」(体温、睡眠時間、食事量)で簡潔に。

– 別れは短く肯定的に。

「いってらっしゃい。

夕方○時に迎えに来るね」と予告する。

– 体調の迷いがあるときは、朝の電話やアプリで相談。

判断材料(平熱、既往、食欲)を添える。

よくある質問への実務的回答

– 咳や鼻水があるが熱はない → 元気に活動でき、呼吸苦がない、食べられる・飲めるなら登園可とする園が多い。

ただし集団生活で悪化・拡大の懸念があれば個別判断。

– 微熱(37.3℃前後)がある → 平熱との比較や機嫌・活動性、前夜の睡眠、今朝の食事量を総合判断。

園の基準に従う。

– 朝は元気だが下痢が続く → 脱水や食欲不振、嘔吐を伴う場合は見合わせ推奨。

ノロ・ロタ流行期は特に慎重に。

本内容の根拠(主な指針・ガイドライン等)

– 保育所保育指針(厚生労働省告示)
– 保育の基本、健康及び安全に関する考え方、家庭との連携(連絡帳等)を位置づけ。

毎日の健康観察と家庭情報の共有が重要と明記。

– 保育所における保健業務の手引き(厚生労働省)
– 健康観察の方法(視診・触診・問診)、記録の取り方、与薬の留意点、事故時の対応を具体化。

– 保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)
– 登園の可否の目安(発熱、下痢、嘔吐、発疹等)、感染症ごとの登園基準(登園届・意見書)の扱い、平熱+1℃/37.5℃の用いられ方などを整理。

– 保育所等におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)
– 食物アレルギー対応、エピペン等の緊急対応計画、情報共有の手順(個別対応表、目立つ掲示・IC管理)。

– 自治体の保育所利用の手引き・園の保育約款
– 登降園時間帯、持ち物、連絡帳の提出方法、発熱時の呼び出し基準、与薬依頼書の様式など実務基準を具体的に定める。

– 日本小児科学会・日本小児科医会の登園基準・意見書様式
– インフルエンザや溶連菌など感染症後の復帰可否の目安、医師記載のフォーマット。

まとめ
– 朝の登園では、挨拶・身支度・健康チェック・情報共有(連絡帳+口頭)を短時間で的確に行い、その日の活動や安全管理に必要な情報を園内で共有します。

– 健康チェックは、体温だけでなく、全身の様子・活動性・前夜からの生活リズムを総合評価するのが実務の要点です。

– 連絡帳は家庭と園の「共同子育てのログ」。

数値と具体で簡潔に、そして必要なときは口頭で補足するのが最も確実です。

– 詳細運用は園・自治体の規程に依存するため、配布資料(しおり、約款)と入園時オリエンテーションで必ず確認してください。

午前中のあそびや設定保育ではどんな活動をするのか?

ご質問の「午前中のあそびや設定保育ではどんな活動をするのか?」について、年齢ごとの実際例、ねらい(育ちにつながるポイント)、保育者の関わり方、そして公的指針等の根拠を合わせてわかりやすくまとめます。

園の方針・地域や季節で幅はありますが、以下を押さえると全体像がつかめます。

午前中の大まかな流れ(多くの園で共通)

– 順次登園〜健康観察(視診)・身支度
– 室内の自由あそび(コーナー遊び)または園庭あそび
– 朝の会(歌・出欠・今日の見通し)
– 設定保育(ねらいをもって保育者が環境構成・提案する活動)
– 戸外活動(散歩・園庭・運動遊び)または室内活動の続き
– 給食準備へ(手洗い・排泄・当番活動)

自由あそび(コーナー遊び)でよくある活動

– 積み木・大型ブロック 空間認知、数量感覚、協同性
– ままごと・ごっこ 言葉のやりとり、社会的役割の理解、自己調整
– 絵本・パズル 集中・語彙・論理的思考の芽生え
– 制作(クレヨン・粘土・はさみ・のり) 微細運動、想像力、自己表現
– 感触あそび(砂・水・寒天・小麦粉ねんど) 感覚統合、安心感
– 運動コーナー(巧技台・平均台・トンネル) 粗大運動、リスク認知
自由あそびは、子どもが自ら選び主体的に関わる時間。

保育者は安全を確保しつつ、興味が深まる言葉かけや環境の追加・整理を行い、遊びの質を高めます。

設定保育とは(考え方と流れ)

– ねらいに基づく意図的な活動(導入→展開→ふりかえり)
– 例 季節の自然あそび、音楽・リズム、制作、運動サーキット、食育、科学遊び、集団ゲームなど
– 環境構成(素材・道具・場の安全)と、子どもの選択やペースを尊重する柔軟さを両立
– 終わりに簡単な振り返りや作品の共有を行い、満足感と次への見通しをつくる

年齢別の具体例(0〜5歳)
0歳児

– 活動 はいはいトンネル、マット・ボール、布・スカーフでの感触遊び、フィンガーペイント、わらべうた、絵本の時間、ベランダでの外気浴や水遊び(季節)
– ねらい 安心できる人との関係、姿勢・可動域・手指の発達、音やリズムへの反応
– 保育者の関わり 十分なスキンシップ、個々の睡眠・授乳リズムに合わせた短時間・小集団の活動、安全第一

1歳児
– 活動 巧技台でののぼり降り、段ボールトンネル、新聞紙びりびり、シール貼り、色水遊び、砂遊び、模倣を伴うごっこ遊びの芽
– ねらい 歩行・走行の安定、手指操作、ことばのやりとり、自己主張と受け止められる経験
– 保育者 やってみたい気持ちを妨げない援助、危険の予測・最小限の支え、短い導入と見通し提示

2歳児
– 活動 ままごと・見立て遊び、簡単なルール遊び(しっぽ取り・玉入れ)、大型ブロックでの構成、粘土・スタンプ、虫探しや季節の自然探索、トイレトレーニングを含む生活の自立活動
– ねらい 見立て・象徴機能の発達、順番や簡単な約束を守る経験、自己決定と気持ちの切り替え
– 保育者 選べる環境(選択肢2〜3)、短いルールの視覚化、成功体験の積み上げ

3歳児(年少)
– 活動 朝の会と当番活動、制作(はさみ・のりの基礎)、リトミック、園庭で三輪車・砂水の協同遊び、季節の散歩・観察、簡単な集団ゲーム
– ねらい 集団での見通し・役割、道具の基本的扱い、友だちとのやりとり、身体の基本的動きの多様化
– 保育者 活動の導入に物語や絵本を活用、終わりの区切りを明確に、ペース差への配慮

4歳児(年中)
– 活動 協同制作(コラージュ・立体)、自然素材を用いた探究、ルールゲーム(フルーツバスケット等)、縄跳びや跳び箱の初歩、栽培活動の記録、手作り楽器や合奏
– ねらい 協同性・合意形成、挑戦と達成、観察と記録、言葉や数への関心の広がり
– 保育者 ねらいと言葉かけの一致、活動の見通しと役割分担、ふりかえりで友だちの良さに気づく場づくり

5歳児(年長)
– 活動 プロジェクト型(お店屋さん・劇遊び・交通安全学習・地域交流)、ルールのあるスポーツ遊び、簡単な実験(浮く沈む・影・風)、就学に向けた生活・当番の拡大(献立掲示・配膳補助)、文字や記号への自然な関心(看板作り、地図)
– ねらい 計画→実行→振り返りのサイクル、他者と協働してつくる喜び、道具・安全の自己管理、思考と言葉での伝え合い
– 保育者 子どもの発案を核に環境と時間をデザイン、記録(写真・言葉)で学びを見える化、就学移行を意識した地域・小学校との連携

領域別に見る活動と狙い(保育所保育指針の5領域)

– 健康 運動サーキット、戸外遊び、水・泥・雪あそび、リズム運動
– 人間関係 当番・協力ゲーム・ごっこ・話し合い
– 環境 散歩・栽培・飼育・観察、身近な素材の探究
– 言葉 読み聞かせ、わらべうた、伝言・振り返り、記号への関心
– 表現 絵画・造形・音楽・ダンス、劇遊び
それぞれが重なり合い、午前の活動全体で「遊びを通した学び」を形づくります。

季節・天候に応じた工夫

– 春 草花探し、色あつめ、種まき
– 夏 水あそび、氷・寒天・色水、影・風の実験
– 秋 落ち葉・木の実で制作、虫探し、収穫
– 冬 雪・氷遊び、室内での大型運動コース、光と影あそび
悪天候時は室内サーキット(マット・平均台・トンネル)や大型積み木で全身運動の確保を図ります。

安全・衛生とインクルーシブの配慮

– 事前の危険予測(道具点検、ゾーニング、見通しの提示)
– 個別の発達・アレルギー・感覚特性に応じた合理的配慮(音量調整、休息スペース、素材の代替)
– 活動前後の手洗い・消毒、熱中症・寒さ対策、帽子や水分の用意
– 事故防止と「挑戦する機会」のバランス(リスク・ベネフィットの視点)

評価と記録(午前の活動を次につなげる)

– 観察記録(言葉・姿・関わり)と写真・作品の保管
– 日案・週案での「ねらい」「環境」「援助」「評価」の循環
– 子どもの振り返り(写真を見て話す、作品の展示)でメタ認知を育む
– 保護者への共有(連絡帳・掲示・ポートフォリオ)

具体例 設定保育の一日テーマ(例)

– テーマ「秋のいろさがし」
導入 秋の絵本→園庭で色カードと同じ色の葉や実を探す(ペア活動)→戻って台紙に貼ってコラージュ→皆で発見を言葉にする
ねらい 自然への気づき、協働、色彩感覚、語彙
– テーマ「水ってふしぎ」
導入 コップとスポイト→色水混色、浮く沈む→最後に自由に実験コーナー
ねらい 仮説と試行、手指操作、順番・約束の理解

根拠(主な公的指針・研究)

– 保育所保育指針(厚生労働省) 養護と教育の一体的提供、幼児期は「環境を通して行う保育」、遊び中心の保育、5領域のねらいと内容、年齢発達に応じた配慮、食育の推進、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(協同性、言葉による伝え合い、数量・図形・標識への関心など)を明記。

午前中の自由あそびや設定保育はこの考えに基づき計画されます。

– 保育所保育指針解説 環境構成(コーナー設定、素材の選択、可視化)と保育者の援助(見守り・共感的な言葉かけ・挑戦機会の提供)の重要性、記録と評価の循環を示しています。

– 幼児期運動ガイドライン(スポーツ庁) 幼児は毎日合計60分以上を目安に体を動かす遊びを確保することが望ましいとし、走る・跳ぶ・投げる等の多様な基本的動きを遊びで経験する意義を提唱。

午前の戸外・運動遊びの根拠となります。

– 食育基本法および保育所における食育の推進に関する考え方(厚生労働省) 栽培・調理体験・当番活動など、日常の生活の中で食に親しむ活動を位置づけています(午前の簡単なクッキングや栽培観察など)。

– 安全管理関連(厚生労働省の事故防止・安全管理手引、消費者庁の遊具安全情報等) 室内外の環境点検、活動前の説明、ゾーニング、見守り配置の根拠。

– 読み聞かせ・言語発達の研究 乳幼児期の読み聞かせが共同注意・語彙・物語理解を促し、就学後の学習基盤につながることが国内外の研究で示されています。

指針の「言葉」領域の実践的根拠です。

– 自然体験の意義(国立青少年教育振興機構等の調査) 自然体験が探究心、自己効力感、協働性に資することが報告され、散歩・園庭での自然探索の価値が裏づけられています。

家庭との連携(午前の活動を生かすために)

– 服装・持ち物 動きやすく汚れてもよい服、帽子、水分補給、替え衣類
– 体調連絡 登園時の睡眠・食事・排泄・服薬状況の共有で安全に活動
– 取り組みの共有 写真掲示やポートフォリオを通じて家庭での会話が広がり、学びが循環

まとめ
午前中の活動は、子どもの主体性を大切にした自由あそびと、ねらいに基づく設定保育で構成されます。

年齢や季節、子どもたちの興味に合わせた環境と保育者の援助により、「健康・人間関係・環境・言葉・表現」の各領域が統合的に育ちます。

これらは厚生労働省の保育所保育指針やスポーツ庁の運動ガイドライン、食育・安全に関する公的資料の考え方と整合しており、毎日の午前の時間がその日の満足感と、長期的な発達の土台づくりに直結しています。

給食の流れと食育はどのように行われるのか?

以下は、保育所における「給食の流れ」と「食育(しょくいく)」の進め方を、実際の1日の動きに沿ってわかりやすくまとめたものです。

全国一律の“決まり”ではなく園によって運用に幅はありますが、厚生労働省や内閣府などの公的指針に基づいた一般的なスタンダードです。

最後に根拠となる主な指針・法令・ガイドラインを挙げます。

1日の中での給食の流れ(イメージ)

– 午前の活動〜給食前
– 健康観察(顔色・機嫌・咳・鼻水・体温など)
– トイレ・手洗い・うがい(感染症予防の基本)
– 給食室からの受け取り準備(保育室の清掃・机拭き・食器準備)
– 給食室では、納品食材の検品(温度・期限・アレルゲン表示確認)、調理・加熱(中心温度管理)、味付け・盛り付けを行い、提供直前に検食・味見と衛生チェック、提供した料理の一部を保存(万一の食中毒等調査のため、一定量を冷蔵で48時間以上保存する運用が一般的)
– 配膳・着席
– 幼児クラス(3〜5歳)は自分でトレイや茶碗を運ぶ、適量を考えてよそうなど「自分でできること」を増やす
– 乳児クラス(0〜2歳)は保育者が配膳。

姿勢の安定(足裏が床に着く、肘が90度程度になる机・椅子の高さ)を整える
– いただきますの挨拶(命や作り手への感謝)
– 食事中
– 幼児 自分の適量調整、箸やスプーンの使い方、咀嚼を促す声かけ、楽しい会話の雰囲気づくり
– 乳児 一口量の調整、ペースの見守り、誤嚥防止に配慮(食材の大きさ・硬さ・姿勢)
– 保育者の共食(子どもと同じものを一緒に食べ、モデルとなる)
– 食後
– 食器の片付け(幼児は自分で返却・残飯量の見える化)
– 口拭き・歯みがき(園の方針・感染症動向に応じ安全に実施)
– ごちそうさまの挨拶
– 午睡準備(直後の激しい運動は避け、消化を促す)

献立づくりと栄養の考え方

– 栄養士(園により管理栄養士)が作成。

五大栄養素のバランス、エネルギー量、鉄・カルシウム・食物繊維など不足しやすい栄養素の補完を意識
– 季節の食材、行事食(節分・ひな祭り・十五夜・冬至など)、地域の郷土食を取り入れる
– 「日本人の食事摂取基準」や年齢・発達段階に応じた形状・硬さに配慮
– 3〜5歳児の給食費は主食・副食の実費徴収が一般的(幼保無償化後も副食費は原則実費)。

0〜2歳は保育料に含まれることが多い(自治体差あり)

乳児・離乳食の流れ(0〜2歳)

– 授乳・ミルク 個別の生活リズムに合わせる。

母乳・ミルクの種類、量、アレルギー歴は保護者と共有
– 離乳食 厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに、初期→中期→後期→完了期と段階的に進める。

家庭と進度・食材の導入状況を連携し、園での「初めての食品」は原則避け、家庭での確認後に園でも提供
– 形状・硬さ 月齢・咀嚼発達に合わせ、なめらかなペースト→歯茎でつぶせる→歯茎で噛める→歯で噛めるへ。

刻みのし過ぎはかえって誤嚥リスクを上げるため、まとまりのある適切な大きさに
– 姿勢と一口量 顎が上がらない・背中が反らない位置、スプーンは水平に、ほお張りを避ける

アレルギー対応(誤食防止と安全管理)

– 入園時に医師記載の「アレルギー疾患生活管理指導表」等で個別指示を受け、除去・代替・提供方法を園内で共有。

写真付きの指示書、アレルゲン一覧、個別トレーや名札、色分け食器などで誤配を防止
– 給食室と保育室のダブルチェック/トリプルチェック(献立票・実物照合・提供前確認)
– 事故時の行動計画(アナフィラキシー時のエピペン使用手順、救急要請、保護者連絡、事後検証と再発防止)
– 行事食・代替食の事前相談。

加工品は原材料とコンタミ情報を確認

衛生管理・安全(厨房・配膳・食事環境)

– 食材の受け入れ時検収、低温管理、加熱基準の遵守(十分加熱、再加熱は速やかに)
– 調理員の健康管理・手指衛生・帽子・マスク・手袋の適切な使用、器具の色分け(生食用・加熱用・アレルギー用など)
– ノロウイルスほか感染症対策(吐物処理、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、手洗いの徹底)
– 子どもの手洗いは流水と石けんで丁寧に。

アルコールは年齢・皮膚状態を見て補助的に
– 誤嚥・窒息予防 ブドウ・ミニトマト・餅・ナッツ類などは年齢に応じた提供の是非と切り方(縦に4分割など)、硬い根菜は十分な加熱とサイズ調整

食育のねらい(何を育てるか)

– からだづくり バランスよく食べる力、適量感、よく噛む、規則正しい生活リズム
– こころ・社会性 命や作り手・自然への感謝、食卓のマナー、共食の楽しさ、文化の理解と多様性の受容
– 自立・意欲 選ぶ・準備する・片付ける・栽培する・クッキングに関わる経験を通じて自己効力感を高める
– 安全・衛生 手洗い、食中毒予防、アレルギーへの理解

年齢・発達に応じた食育の実践例

– 0〜1歳
– 手づかみ食べで五感を使って食材に慣れる
– 噛む・飲み込むの発達に合わせた介助、食具への移行の土台づくり
– 2歳
– スプーン・フォークの安定した扱い、コップ飲み、自分で食べる意欲を育てる
– 簡単な配膳や布巾で机を拭くなどの「役割」を経験
– 3〜4歳
– 旬の食材を観察・触れる・においをかぐ(五感体験)
– 栽培活動(ミニトマト、さつまいも、ハーブなど)、収穫物を給食やおやつで味わう
– クッキング保育(衛生ルールを学びながら、おにぎりを握る、野菜をちぎる等の安全な工程)
– 5歳(就学前)
– 適量を自分で盛るセルフサーブ、簡単な献立表の読み取り、郷土食・行事食の意味を知る
– 箸の使い方の仕上げ、テーブルマナーの基礎(座り方、器の持ち方、食べ終わりの合図)
– 食の環境や職業(農家や市場見学、給食室の仕事を知る)への関心

日常の工夫(食育を“特別な時間”だけにしない)

– 毎日の献立読み上げ・食材クイズ・旬の掲示物・絵本の活用
– 「食べてみようカード」「チャレンジシール」等で少量チャレンジを楽しく促す。

無理強いはしない
– 苦手食材は調理形態を変えて提案(切り方・味付け・温度・他食材との組み合わせ)
– 食後の満足感・達成感を言葉でフィードバックし、意欲を次につなげる

家庭との連携

– 月間献立表・アレルゲン表示・レシピの配布、食育だよりの発行
– 連絡帳や面談で「家での食べ方・量・好き嫌い・朝食の状況」を共有し、園と家庭で一貫性をもって支援
– 持参水筒の中身(砂糖飲料ではなく水・お茶)、おやつの選び方、就寝時刻など生活習慣の相談
– 行事食やクッキングの事前案内と衛生・アレルギーの確認

根拠(主な法令・指針・ガイドライン)

– 保育所保育指針(厚生労働省告示)
– 保育のねらい・内容、健康及び安全、食事・食育の基本的考え方が示され、年齢発達に応じた支援や「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に、食を通じた育ちが位置づけられています。

併せて「解説書」も参照されます。

– 食育基本法(内閣府)および食育推進基本計画
– 家庭・学校・保育所・地域・産業の連携による食育の推進、幼児期からの食習慣形成の重要性を規定。

– 授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)
– 月齢ごとの離乳の進め方、食品の形状・硬さ、食物アレルギーへの配慮、家庭と施設の連携の基本を示しています。

– 保育所における食事の提供ガイドライン(厚生労働省)
– 献立作成、提供量、衛生管理、事故防止、アレルギー対応、食育の視点を包括的に整理した実務指針。

自治体通知・園内マニュアルはこれに準拠して作成されます。

– 大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)
– 1回の提供食数が多い施設向けの衛生管理基準(受け入れ・保管・加熱・冷却・配膳・保存サンプル等)。

規模により保育所も対象・準用されます。

食品衛生法の改正により、HACCPの考え方に沿った衛生管理が求められています。

– 食物アレルギー対応
– 保育所におけるアレルギー対応の手引き(厚生労働省、自治体ガイドライン)
– 小児科学会・小児アレルギー学会等の「食物アレルギー診療の手引き」、アナフィラキシー対応(エピペン)手順
– 誤嚥・窒息事故の予防(消費者庁・日本小児科学会)
– 食品による窒息・誤嚥事故の予防に関する注意喚起資料(ブドウ・ミニトマト・餅・ナッツ等の提供可否・切り方・年齢配慮)
– 歯科保健(厚生労働省・自治体歯科保健指針)
– 園における歯みがきの位置づけ、フッ化物応用、感染症流行期の対応など

まとめ(ポイント)

– 給食は、栄養補給の場であると同時に、生活・社会性・文化・安全を学ぶ「教育の時間」。

保育者の丁寧な環境構成(姿勢・量・声かけ)と、子どもが主体的に関わる仕掛け(選ぶ・よそう・育てる)が核になります。

– 実務は、栄養士を中心とした献立づくりと、調理・衛生・アレルギー・食育・保護者連携のチーム連携が要。

計画(Plan)→実施(Do)→記録・振り返り(Check)→改善(Act)のサイクルで安全と質を高めていきます。

– 根拠は、保育所保育指針・食育基本法・各種厚労省ガイド(授乳・離乳、食事提供、衛生、アレルギー)に整合させることが重要。

園ごとの詳細は自治体の条例・通知、園内マニュアルをご確認ください。

参考にするとよい公的資料(検索キーワード)
– 厚生労働省 保育所保育指針 解説
– 内閣府 食育基本法 食育推進基本計画
– 厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019改定)
– 厚生労働省 保育所における食事の提供ガイドライン
– 厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアル
– 消費者庁 乳幼児の窒息・誤嚥事故を防ぐ
– 日本小児科学会 食物アレルギー対応・アナフィラキシー

上記に沿って園の実情に合わせれば、子どもにとって安全で楽しく、学びの深い給食と食育が実現できます。

午睡(お昼寝)後の午後の活動とおやつ、お迎えまでの過ごし方はどうなっているのか?

以下は、多くの保育所で一般的に見られる「午睡(お昼寝)後~おやつ~お迎え(降園)」までの流れを、年齢差や季節差、延長保育の有無もふまえてわかりやすく整理したものです。

施設・地域によって細部は異なりますが、国の基準やガイドラインが示す考え方に沿って運用されている点は共通しています。

最後に根拠資料もまとめます。

午睡からの目覚め~身支度(おおむね1430~1500)

– 目覚めの環境づくり
– 保育者は室内の照度・室温を徐々に調整し、急激に覚醒させない(情緒の安定と生理的負担の軽減)。

– 0~2歳児では個々の睡眠リズムがばらつくため、先に目覚めた子は静かなコーナー(絵本・指先遊び等)へ誘導し、まだ眠っている子の睡眠を妨げないよう配慮。

– 健康観察
– 寝汗や顔色、皮膚の状態、咳・鼻水、機嫌などを観察。

必要に応じて検温、鼻水の拭き取りや着替えを行う。

– 午睡後は脱水傾向や寝起きの不機嫌(いわゆる寝起き泣き)が出やすいため、抱っこ・言葉かけや水分補給で落ち着ける。

– 基本的生活習慣の援助
– 布団の片付け(年齢に応じて自分の布団をたたむ、シーツをはがすなどの自立を促す)。

– 排泄・トイレ誘導、オムツ替え、手洗い、必要な着替え。

– 3~5歳児では「自分で整える→友だちを手伝う→みんなで環境を整える」をねらいとして、小さなお手伝いや当番活動を取り入れる園も多い。

おやつ(午後の間食、補食)(おおむね1500前後)

– おやつの位置づけ
– 保育所ではおやつは「単なるデザート」ではなく、幼児の小さな胃容量を補い1日の栄養をバランスよく摂るための「食事の一部(補食)」と位置づけられている。

– 内容の一例
– 和洋の主食系(おにぎり、蒸しパン、きなこトースト、うどん少量など)、たんぱく質・野菜果物を組み合わせた手作りおやつ、牛乳や麦茶などの飲み物。

– 夏は水分補給と塩分・糖分のバランスに配慮、冬は体を温める根菜スープやホットミルク等。

– 安全と衛生
– 手洗い→挨拶(いただきます)→着席して食べる、を徹底。

誤嚥・窒息リスクの高い食品(ブドウ、ミニトマト、餅、ナッツ類など)は年齢に応じた大きさや調理法で提供し、座位・見守りを強化。

– 食物アレルギーは保護者・医師の指示(生活管理指導表等)に基づき個別対応(除去・代替・提供方法の工夫)。

配膳動線や食器の色分けで誤提供を防ぐ。

– 食育の視点
– 食材の名前、季節、産地・栄養、作ってくれた人への感謝などを会話に取り入れる。

– 3~5歳児は配膳の手伝い、後片付け、歯みがき(園の方針による)などを通じて生活習慣の自立へ。

おやつ後の午後の活動(1530~1630頃)

– 戸外活動(天候・季節に応じて)
– 園庭遊び(固定遊具、砂場、鬼ごっこ、ボール遊び、虫探し)。

– 近隣公園への散歩(3~5歳児や体力が十分な1~2歳児)。

夏は水遊び・プール活動。

冬は日照時間が短い分、早めに戸外に出て体を温める遊びを。

– 熱中症や寒さへの配慮、紫外線・防寒、WBGT(暑さ指数)や園の基準で実施可否を判断。

– 室内活動(静と動のバランス)
– コーナー遊び(積み木、ままごと、ボードゲーム、ブロック、制作、絵本、造形)。

– リズム遊び、体操、サーキット(マット・平均台など)、簡単な集団ゲーム。

– プロジェクト型・設定保育(3~5歳児) 季節の行事準備、観察記録、共同制作、劇ごっこ、音楽、探究活動など。

– 年齢別のねらい
– 0~2歳児 情緒の安定、保育者との安定した関係の中での探索活動、運動機能や言葉の芽生え、模倣・ごっこ遊びの広がり。

– 3~5歳児 友だちとの協同、ルールの理解、自制心・見通しをもって取り組む力、最後までやり抜く体験、言葉・数・形への気づき。

– 合同保育への移行
– 人数が減る夕方に向けてクラス合同に切り替え、広い部屋に遊びコーナーを再構成。

職員配置も安全基準を満たす形に再編成。

お迎え(順次降園)までの流れ(1630~1800頃)

– 帰り支度
– 荷物の整理(連絡帳、コップ、連絡袋、汚れ物の袋詰め)、身だしなみの確認、片付け。

3~5歳児は自分で準備して保育者が最終確認。

– 1日のふりかえり(帰りの会/帰りの集まり)
– 絵本の読み聞かせ、歌、手遊び、その日のできごとや明日の見通しの共有。

友だちの良いところを伝え合う時間を設ける園も。

– 保護者への引き渡し
– 連絡帳やICTで、午睡時間、食事・おやつの摂取状況、排泄、機嫌・体調、けがの有無、制作物や配布物などを共有。

– アレルギー対応や投薬がある場合は二重確認。

万一の事故・ヒヤリハットは口頭と書面で説明。

– 子どもの情緒への配慮
– お迎え時に甘えやすくなる、スイッチが切れて癇癪が出やすいことは珍しくない。

保育者は保護者の前での関わり方(頑張りの言語化、切り替えの手伝い)を一緒に行い、安心して降園できるよう援助。

延長保育(実施園の場合/1800以降)

– 生活の再構成
– 照度を落とし、落ち着いた遊び(パズル、絵本、折り紙)中心に。

少人数での関わりを大切にしつつ安全に見守る。

– 補食(夕方の軽食)
– 延長時間帯が長い園では、夕方に軽い補食を提供。

主食・乳製品・果物など、帰宅までのエネルギー補給と血糖の安定を目的に少量を用意(園の規程や栄養計画に基づく)。

– 引き渡しの確認
– 登録された保護者・代理人への確実な引き渡し、時間帯別料金や延長手続き、最終降園時の二人体制確認など、安全管理を徹底。

季節・年齢による違いのまとめ

– 年齢差
– 0~2歳児 午睡が長め、起床後はゆっくり立ち上がる時間を確保。

おやつはエネルギー補給として重要。

活動は短いサイクルで切り替え。

– 3~5歳児 午睡が短めまたは廃止の園も。

おやつ後は戸外遊びや設定保育で体と頭をしっかり使う時間。

帰り支度や記録の自己管理を学ぶ。

– 季節差
– 夏 水分・塩分補給、涼しい時間帯に戸外、プール・水遊び。

熱中症指数を参考に活動調整。

– 冬 日没が早く戸外は早めに。

室内では体を温める運動あそびや共同制作、感染症対策(手洗い・換気)を強化。

参考になる一日の午後タイムライン(例)

– 1430 順次起床・健康観察・排泄・着替え・手洗い
– 1500 おやつ(補食)・歯みがき(園方針による)
– 1530 戸外または室内活動(コーナー遊び、制作、リズムなど)
– 1630 帰りの会・片付け・帰り支度・順次降園開始
– 1730 合同保育(静かな遊び)・延長保育へ移行
– 1800~ 延長保育(必要に応じ補食)・最終降園

根拠(主な公的資料とポイント)
– 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年告示第117号、平成30年施行)
– 養護と教育の一体性、生活リズムの形成、基本的生活習慣(食事・睡眠・排泄・清潔・着脱衣)、遊びを通した発達支援、年齢発達に応じた保育内容、家庭との連携、健康安全の確保など、日課編成の考え方の基盤。

午睡後の活動やおやつも「生活の流れ」の中で位置づけられる。

– 厚生労働省「保育所における食事の提供ガイドライン」(平成31年策定)
– 間食(おやつ)は「食事の一部(補食)」であり、幼児の栄養補給として計画的に実施すること、年齢に応じた量・質、アレルギー個別対応、衛生管理等を明記。

午後間食の位置づけと具体的運用の根拠となる。

– 厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(改訂版)
– 医師の指示に基づく個別対応、誤食防止のための組織的配慮(配膳・表示・研修等)、緊急時対応(エピペン等)の体制整備。

おやつ時の安全管理に直結。

– 厚生労働省「保育所における睡眠中の事故防止に関する留意事項・見守りのポイント」(通知・リーフレット等)
– 午睡の見守り方法、健康観察、起床時の配慮など。

午睡後の健康観察やゆるやかな覚醒への配慮の根拠。

– 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」(改訂版)
– 手洗い、咳エチケット、換気、器具の衛生管理等。

おやつ前後や午後活動時の衛生行動の標準。

– 消費者庁「子どもの窒息・誤嚥事故防止に関する注意喚起」
– ぶどう・ミニトマト等の提供時の切り方・大きさ、座位での摂食、見守り強化など。

おやつの安全提供の具体的手立ての根拠。

補足
– 各園は上記の国基準を土台に、園児の実態(人数、年齢構成、発達、アレルギー、地域環境、園庭・近隣資源、開園時間)に合わせて日課や活動内容を具体化しています。

保護者面談や連絡帳、園だよりで、季節や行事に応じた午後の過ごし方の変更点(プール開き、運動会練習、発表会前の活動など)が共有されるのが一般的です。

– 園見学の際は、午後の活動コーナーの構成、戸外と室内の切り替え方、アレルギー対応の運用、引き渡し時の説明の丁寧さ、延長保育の環境などを見ておくと具体的なイメージがつかみやすいでしょう。

以上が、午睡後からおやつ・お迎えまでの一般的な流れと、その根拠です。

お子さんの年齢や園の方針により細かな違いはありますが、共通する柱は「生活リズムを整えつつ、安心・安全のもとで、遊びと食を通じた発達を支えること」です。

年齢や園によって1日の流れはどう違い、保護者が準備すべき持ち物・連絡のポイントは何か?

以下は、保育所(認可保育所・認定こども園保育部分等)での「1日の流れ」の年齢別・園別の違い、準備する持ち物と連絡のポイント、そしてそれらの根拠に関する詳しい説明です。

園や自治体、季節や感染症流行状況で細部は変わりますが、共通する考え方と実際の運用の多くは共通しています。

1日の流れの基本(共通骨子)
– 開所〜順次登園 健康観察(視診・検温・連絡帳確認)、自由遊び
– 朝の会 出欠確認、歌や手遊び、今日の活動確認
– 午前の活動 戸外遊び、散歩、設定保育(製作・運動・音楽・ごっこ遊びなど)
– 食事 給食(年齢に応じ離乳食〜普通食)
– 午睡 年齢に応じた時間の睡眠・休息
– 目覚め〜午後の活動 手洗い、検温、軽い遊び、午後のおやつ
– 帰りの会〜順次降園 連絡帳・口頭での引継ぎ
– 延長保育(該当者) 補食・静かな遊び

年齢による違い
0歳(生後57日〜)
– 個別リズム重視。

午前睡がある子が多く、ミルク・離乳食の時間も個別対応。

– 1日の例 登園・検温→ミルク→午前睡→起床遊び→離乳食→午睡→おやつ(ミルク)→降園。

– 排泄はおむつ中心。

抱っこ・スキンシップ・わらべうた等の養護が主。

活動時間は短めで刺激を抑え、睡眠の質・回数を確保。

1歳
– 午前睡が徐々になくなる。

外遊び・探索活動が増える。

– 1日の例 登園→自由遊び→おやつ(軽食)→戸外遊び→給食→午睡(1.5〜2時間)→おやつ→遊び→降園。

– コップ飲み・スプーン練習、簡単な着脱・手洗い習慣の導入。

おむつ中心だがトイレ誘導を始める園も。

2歳
– 生活リズムが安定。

集団での簡単な活動やルールのある遊びを導入。

– 1日の例 登園→朝の会→戸外遊び・設定保育→給食→午睡(1〜2時間)→おやつ→帰りの会→降園。

– トイレトレーニングが本格化。

言葉のやりとりが増え、身の回りのことの自立を促す。

3〜5歳(幼児クラス)
– 午前中の活動の密度が高く、テーマ性のある設定保育・プロジェクト活動、友だちとの協働が中心。

– 1日の例 登園→朝の会→主活動(運動・製作・音楽・行事練習・探究活動など)→給食→午睡または休息→午後の自由遊び→降園。

– 午睡は園方針や自治体ガイドで差があり、年長で短縮・廃止の園も。

歯磨きを実施する園もあるが、感染症対策で中止やうがいのみの園も。

園による違い(制度・方針・環境)
– 開所時間・延長保育 11〜13時間開所が一般的。

延長保育の有無や終了時間、補食の提供可否は園ごとに異なる。

– 保育方針 自由保育中心/設定保育中心、モンテッソーリ・ピラミッド・レッジョなどの教育法を導入している園では活動の組み立てが特有。

– 午睡の扱い 幼児クラスの午睡有無・時間、見守り体制(5分毎確認、センサー活用など)は園の安全基準・自治体通知で差。

– 食事 自園調理/外部委託、アレルギー対応(除去・代替・個別献立)の範囲、離乳食の進め方。

– 屋外環境 園庭の有無、散歩コースの安全性、近隣公園の利用状況、夏季の水遊び・プールの規模と頻度。

– 連絡手段 紙の連絡帳/アプリ(登降園打刻、検温、写真、欠席連絡、延長申込など)。

– おむつ運用 紙おむつは持参・使用後持ち帰り/園回収/定額サービス導入などがある。

– 寝具 コット導入でバスタオルのみの園、布団・シーツ持参の園など。

週末持ち帰りの有無も差がある。

保護者が準備すべき主な持ち物(年齢別のめやす)
共通(全学年)
– 着替えセット2〜3組(トップス・ボトムス・下着・靴下)。

季節で素材調整。

すべてに記名。

– 汚れ物袋(ビニール数枚または洗える巾着)。

– タオル類 手拭きタオル(ループ付き)、口拭き用小タオル・ウェットティッシュ等は園指示に従う。

– 帽子(園指定色が多い)。

靴は面ファスナーで踵が固定できるもの。

– 連絡帳(またはアプリ入力用に家庭での記録をメモ)。

– 季節品 夏は水遊びセット(水着/ラッシュガード・水遊び用おむつ・タオル・プールカード・サンダルは不可の園多し)。

冬は防寒具(フードや長い紐のないもの)。

– 雨具 レインコート(傘は不可の園が多い)、長靴。

– 常備 予備マスク(園方針による)、ティッシュ、ネームタグ。

0〜1歳で特に必要
– おむつ(1日5〜8枚目安)・おしりふき・処理袋、使用済みの持ち帰り方法は園の指示に従う。

– 哺乳瓶・粉ミルク/冷凍母乳、乳首の形状は園の衛生基準に適合するもの。

– よだれかけ・食事用エプロン数枚、マグ。

– 離乳食スプーン、スタイ。

寝具(バスタオル2枚など園基準)。

2歳で追加されやすいもの
– トレーニングパンツ・布パンツ、予備多め。

ビニール袋多め。

– トイレで使う補助便座や踏み台は園備えが一般的だが、指示があれば準備。

3〜5歳で追加されやすいもの
– コップ・歯ブラシ(衛生管理のためケースや歯ブラシの更新頻度にルールあり)。

– 上履き・外靴の置き靴、体操服やスモック(園方針による)。

– 行事用品(制作の材料、園指定の文具等)。

– 午睡がある園はバスタオル・薄手毛布等。

準備のコツ
– すべてにフルネーム記名。

洗濯で落ちにくい方法(布用スタンプ・フロッキー・アイロンテープ)。

– 服は動きやすく、汚れてよく、フード・首まわりの紐・長い飾りのないもの。

スカートやサロペットはトイレや遊具事故の観点から避ける園が多い。

– 季節の切替(衣替え)をカレンダーで管理。

成長でサイズアウトする前に補充。

– 週末に補充チェック(おむつ・着替え・連絡帳のサイン・寝具の洗濯)。

連絡のポイント(保護者→園)
– 当日の体調 朝の体温、睡眠時間、食事量、排便の有無、気になる症状(咳・鼻水・発疹・けが)。

37.5℃以上は登園見合わせとする園が多い。

解熱後24時間は様子見など園基準を確認。

– 欠席・遅刻・早退・延長保育の有無 連絡方法(電話・アプリ)と締切時刻を園と共有。

– 投薬 原則として与薬は医療行為に近く慎重。

どうしても必要なときは医師の指示書・与薬依頼書・薬袋(処方内容明記)をセットで。

市販薬は不可の園が多い。

– アレルギー 医師の診断書・生活管理指導表に基づく。

初回提供前にヒアリング、試食手順、誤食時の対応(エピペンの取り扱い含む)を確認。

– 伝染性疾患 登園停止の病気(インフルエンザ、水痘、おたふく、はしか、風しん、新型コロナ等)は医師の登園許可書・意見書が必要。

再登園基準は園・自治体の規定に従う。

– 送迎者の変更 事前登録者以外は引渡し不可が一般。

身分確認・合言葉・委任状の運用を園と決めておく。

– けが・事故の共有 家庭での打撲・切り傷などは朝に伝える(プール・水遊び可否に影響)。

– 生活の変化 引っ越し、家族の入退院、夜泣きが続くなど、情緒に影響する事柄は保育に役立つ。

園からの連絡で注目すべき点
– 年間行事予定、検診日(内科・歯科)、避難訓練、発表会や遠足の要項。

– 感染症流行時の方針(マスク・歯磨き・クラス閉鎖・登園基準の一時的変更)。

– 衛生・安全の運用(午睡時の見守り方法、プールカードの記載内容、熱中症指数に基づく外遊び判断)。

– 物品の仕様変更(おむつの廃棄方法、寝具の持ち帰り頻度、アプリ移行など)。

慣らし保育(慣れ保育)の流れ
– 入園直後は1〜2時間の短時間登園から開始し、食事・午睡へ段階的に伸ばすのが一般的。

子どもの情緒安定と生活リズムの確立を優先。

– 期間は1〜2週間を目安に個別調整。

仕事復帰スケジュールと園の受け入れ能力を早めにすり合わせる。

季節や天候による日課の違い
– 夏 午前早めの屋外活動、水遊び。

熱中症指数(WBGT)や気温で活動変更。

虫除け・日焼け止めは保護者の同意書・持参品で対応する園が多い。

– 冬 屋外時間短縮や室内運動を増やす。

手洗い・加湿・換気を強化。

– 雨天 散歩は中止、室内の大型遊具や運動遊び、製作活動に変更。

よくある疑問と実務的ヒント
– 歯磨きは?
 幼児クラスで実施する園があるが、感染症対策や誤飲リスクで中止・見合わせも。

家庭での丁寧な仕上げ磨きが前提。

– 午睡はどれくらい?
 2歳まで1.5〜2時間、年少1〜1.5時間、年長は0〜1時間または休息の園も。

家庭の就寝時間に影響する場合は個別相談を。

– 写真販売・連絡方法 アプリ導入園は配信が多い。

紙連絡帳の園では朝の会前の記入締切を守ると保育に反映されやすい。

– 服装の安全 遊具に引っかかるフード、首紐、長いストラップ、飾りボタンは避ける。

帽子は顎ゴムが弱すぎず強すぎないもの。

根拠(主な制度・指針・公的情報)
– 保育所保育指針(厚生労働省告示) 年齢ごとの発達や生活リズムに応じて保育を編成すること、養護と教育の一体的提供、食事・睡眠・遊びの計画化などを規定。

午睡や活動の考え方もここに基づく。

– 保育所における事故防止・安全管理関連通知(厚生労働省) 午睡中の見守り(定期的な呼吸確認、うつ伏せ対策、寝具や衣類の紐・フード等の危険回避)、プール活動の安全基準、熱中症対策などを各自治体が具体化。

– 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省) 医師の「生活管理指導表」に基づく給食除去・代替、誤食時の対応、エピペン運用、保護者・園・医療の連携。

– 感染症の登園基準 保育所は学校保健安全法の基準を準用することが多く、インフルエンザ等の登園停止や医師の意見書の取り扱いは自治体要綱で定められる。

– 与薬に関する取り扱い 多くの自治体ガイドラインで、保育所での与薬は原則不可だが、医師の指示と保護者の依頼書、薬の明確な表示がある場合に限定して実施可とされる。

– 子ども服の安全に関する注意喚起(消費者庁) 衣類の紐・フードの事故リスクに関する指針。

登園着の選定根拠。

– 開所時間・事業類型 児童福祉法と子ども・子育て支援新制度に基づく認可保育所・認定こども園・小規模保育・企業主導型保育の枠組み。

各事業の運営時間や人員配置が日課に影響。

まとめ
– 0〜2歳は個別リズムと養護の質、3〜5歳は集団活動と自立の促進が日課の軸。

午睡・食事・遊びのバランスが年齢で変わる。

– 園の方針・環境・制度により、午睡の有無、活動の強度、連絡方法、物品の仕様は多様。

入園前見学と要項の精読が必須。

– 準備品は「動きやすく安全・記名・洗いやすい」を合言葉に。

不足を週末に点検。

– 連絡は「体調・生活変化・時間変更・医療情報」を早めに正確に。

園の判断材料が増えるほど、子どもに無理のない最適な保育につながる。

この枠組みをもとに、実際の園のしおり(保育課程、持ち物リスト、感染症・与薬の規定、アレルギー対応手順、年間行事計画)を照らし合わせると、入園準備や日々のやり取りがスムーズになります。

【要約】
登園は開所~9時目安。玄関で挨拶・持ち物整理、手洗い後クラスへ。0~2歳は短い別れで誘導、到着後は自由遊び。健康観察は保育士が体温や症状を確認し、基準で受け入れ可否・記録。連絡帳は保護者が体温・睡眠・食事・排泄・薬・迎え情報、園は活動・食事量・午睡・排泄・体調・連絡を返す。紙は提出かご、アプリは送信運用。

     

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